STORY
戦国時代、とある里を侵略しようとした島寺軍は、圧倒的な兵力にもかかわらず、里の人々の不可思議な能力によって敗北した。時代は流れ現代、大学生である主人公の南丸洋二は念じるだけで紙やコップに小さな穴を空けるという、使い道のない特殊な能力をもっていた。
ある日南丸は丸神ゼミに呼ばれるのだが、教授は失踪しており、ゼミ室には卵ぐらいの大きさの穴がえぐりとられた様々なものが残されていた。そして同時期、頭が半分えぐりとられるという、不思議な殺人事件が起きる。
自分の能力と教授の残した穴、殺人事件の関連性を調査するため、事件の起こった丸川町へ向い、多くの問題と真実に直面していくこととなる。
(Hitoshi Iwaaki/1997-1999/4 books/Shogakukan)
COMMENT by Shun
4冊に凝縮された細部まで煮詰められた設定、最終巻で次々と一本につながってゆく南丸たちの能力と丸神村の関連性、同作者の寄生獣と並ぶ傑作である。完成度の高さだけでいったらこちらが上。最終話のかぶり寄りの伏線回収の満足感はとても大きいのだが、ラストの南丸が再度丸川町へ訪れた時の幸子の「ようこそ」という一言が、あっさりしすぎでは?といった声を耳にすることがある。
しかしハカセから見たら、狭く恐ろしい世界でずっと生きてきた幸子の、暗闇を切り開いてくれた南丸への「ようこそ」にこめられた思いこそが最後の伏線回収であり大団円なのだ。
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