STORY
一刻館という名の木造アパートを舞台の中心とした、住人五代勇作とアパートの管理人である音無響子のラブコメディ。浪人生の五代は新しくやってきた一刻館の管理人である未亡人音無響子に一目ぼれすることになる。
愉快な住人たちに勉強の妨害をされつつも、次の春には大学に合格。
響子への想いを募らせる五代は何とか彼女といい関係になろうと努力するのだが、亡き夫への思いに浸り現実と目を背けてしまう。
また響子が入会したテニスジムでは、響子に一目ぼれしたコーチが猛烈なアプローチを始める。
強力なライバルが現れる一方で、五代を慕うこずえが登場。それぞれの想いが交錯しドラマが産まれる。
80年代ラブコメディーマンガの金字塔として名高い作品である。
(Rumiko Takahashi/1980-1987/15 books/Shogakukan)
COMMENT by Shun
「るーみっくわーるど」と称される独特の世界観でゆっくりと物語は始まる。あまり起伏のない展開で、正直なところストーリーが面白いと声を大にして言うことはできないんだけど、一刻館の住民達が作り出す世界が心地よく、なんとなく引っ張られて読み続けてしまう。
読むにつれて、最初は頼りがいのなかった主人公五代君も男気があるやつだと知り、また、亡くした夫の名前を付けられた犬の「総一郎さん」への、ヒロイン音無さんの問いかけ(ひとり言)から、五代君に対する心情の変化を知る。
徐々に三角関係、四角関係も整理されて行き、五代君と音無さんの距離は近づき、気がつけば続きが気になり始め虜となった。
最後の流れは少年誌らしからぬ展開で違和感を覚えたが、それまでの2人のことを思い出し直ぐに納得することができた。
ちなみにヒロイン音無響子は未亡人ながらも80年代3大美女の1人に選ばれるほど。
音無さんの説明として、作中での五代君の一言を引用。
「やきもち焼きで早とちりで泣いたり怒ったりだけどその人が笑うと…おれ最高にしあわせなんだ…」
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