Sunday, June 19, 2011

ドラゴンヘッド

ストーリー

修学旅行の帰り道、突如発生した大地震によりトンネル内に新幹線ごと閉じ込められ外界と遮断されてしまう。
横転した車中には死体が累々と横たわり凄まじい状況であったが、運よく生き残った、テル、アコ、ノブオの3人は脱出を目指して生きる術を模索する。
長く闇に接しすぎ正常を保つことができない3人であったが、狂ってしまったノブオを残しなんとか脱出する。
外の世界はドス黒い雲に覆われ荒廃しており2人は落胆するも、再び気を取り直し生まれ育った街を目指し歩み始める。
大地震の原因とは?2人は家族を見つけることができたのか?極限状態における人間の本質と狂気を描く

(望月峯太郎/1994-2000/10巻/講談社)





感想 by Shun

パニック系マンガのはしりのひとつである。幅広い世代の読者に衝撃を与え金字塔になるかと思われたが、大きく広げた風呂敷をたためないまま終了し、結果駄作と評された作品である。
当時高校生だったハカセももれなくハマり、友達と大地震の理由から結末の予測まで、ああでもないこうでもないと話し合い新刊を待ち望んだ。
序盤から中盤のおぞましい展開は見るものを惹きつけ、特に大地震の影響で閉じ込められたトンネル内で、暗闇・孤立といった恐怖がノブオの精神を壊していく様子は必見のシーンである。トンネル脱出後も奇妙な集団との遭遇や、暴徒との戦いなどの様々な恐怖が絶えず飽きることなく読める。
しかしだ…、最終話が全くもって納得いかない。人間の弱さと強さを表現する詩のようなものが書かれて、突然終わってしまった。後は自分たちで想像しろよといった具合にだ。大震災の原因の提示もなければ、グッドエンドでもバッドエンドでもない。正直話を広げすぎて理想の結末が思いつかなかったのではと?作者の技量をうたがってしまう。

Shun's Score 6


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