STORY
1935年、土佐の坂本家に竜馬は産声をあげた。坂本家に生まれた初の男の子であったが、泣き虫で勉強も全くできずに、近所の子供達から毎日いじめられていた。
そんな竜馬であったが、家族からのあふれる愛情を受け、大変優しい心を持っていた。
その優しい心は、次第にいじめっ子の岡田以蔵を惹きつけることとなり、竜馬の面倒をみてきた武市半平太さえも、とりこにした。
すくすくと育つ竜馬であったが、土佐にある階級による差別を知る。
またその差別により友達や母を亡くし、強くなることをせつに願った。
18歳になった竜馬は、子供の頃からは想像も出来ないほど、強くたくましい男に育っていた。
江戸の千葉道場へ剣術修行へでたことをきっかけに、日本の大きさ、土佐の閉じられた世界を知る。
そして丁度そのころ黒舟が来航する。
日本幕府の弱腰な対応、吉田松陰を筆頭とした討幕の意志を持つ者達に衝撃を受ける。
また幼少期に会ったアメリカ人ジョン・エリックと再会、江戸の無血開城を成功させた勝海舟と出会い、日本を生まれ変わらせることを決意し、
卓越した行動力で激動の時代を駆け抜けて行く。
(Tetsuya Takeda&Yu Koyama/1986-1996/23 books/Shogakukan)
COMMENT by Shun
幕末の討幕運動で活躍し、風雲児として絶大的な人気を誇る坂本竜馬を描いた半フィクションなマンガである。歴史について何も知らない子供のころに読んだせいか、幕末の熱き男たちの信念、思想、そして死について、ホント心にしみる作品だった。
幼少時代の徹底的な身分差別、上士の理不尽な行動に怒りを覚え、またそれが原因で亡くした母と姉に悲しむ。
なかでも忘れられないのが、幼なじみ武市と以蔵の死である。
志半ばで切腹を命じられる武市、自分の腹部を3度も切り裂いて死ぬ圧巻の切腹シーン。
以蔵の処刑を食い止めようと現れた竜馬の姉へ暴力する上士。
以蔵は怒り、両手を縛られたまま、隠し持っていた差し入れの握り飯を包んでいた笹の葉を武器に最後まで抵抗する。
心臓が掴まれるような衝撃を受け、何年経っても忘れられないシーンとなった。
ほぼ史実を再現しているにもかかわらず、マンガとしての面白さも兼備えた素晴らしい作品である。
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