Sunday, September 11, 2011

はじめの一歩

STORY

母子家庭で普段は温厚で気弱な性格の主人公幕之内一歩が、高校時代に不良にいじめられていたところを、ロードワークで通りがかったプロボクサー鷹村守に助けられ、鷹村の強さに憧れた一歩は鴨川ジムを尋ね、ボクシングに魅せられる。
家業の釣り船屋で自然と鍛えられた足腰と腕っ節の強さ、ボクシングに対する真摯な姿勢で、メキメキと上達していく。
一歩と同じ年で子供の頃からボクシングをやっている宮田とスパーリングをし負けを喫するも、ジムの会長の的確なアドバイス、また運も味方しリベンジに成功。
宮田とは互いに認め合う生涯のライバルとなる。
新人戦での並み居る猛者たちとの激戦、クレバーかつ経験豊富である日本チャンピオンの伊達とのタイトルマッチを経て、着実に成長し、伊達戦後、攻防一体のラッシュ「デンプシーロール」を習得し、更なる高みを目指し突き進む。
世界チャンピオンを目指す一歩、加えて仲間・ライバル達の多彩なボクサーズロードを描く。

(Joji Morikawa/1989-/95 books as of 2011/Kodansha)





COMMENT by Shun

日本3大週刊マンガのひとつである「週刊少年マガジン」の看板マンガとして、20年近く連載しているボクシングマンガである。
主人公幕之内一歩を主軸にジムの仲間やライバルの戦いまでも詳細に描いており、各々が主人公級の扱いとなり、タイトル戦やデビュー戦が同時進行で進んでいくため、長期連載ながらも全くだれることなく読める。
小生は↑を書きながらゲームのファイナルファンタジー6の有名な言葉を思い出した。
「FF6には主人公がいない。いるのは魅力的な脇役達だけである。」
閑話休題。
コミックも100巻近く続いており、これ以上面白さを書く必要もないので別視点でひとつ(以下持論)。
未読の人が「はじめの一歩」を薦められたとしても巻数を見ただけで、こんなにもあるのか・・・と、諦めてしまうだろう。
ひとつのマンガで最も売れる「巻数」は1巻である。1巻から買い始めるのが当たり前で、途中で買うのを止める人はいても、途中から買い始める人は少ない。それを考えると2番目に売れるのは2巻であり、3番目は3巻となり、巻数が進むにつれ売上は下降線を辿るであろう。
それを回避する手法として「リセット」がある。
「リセット」とは連載が長くなってきた場合に、ストーリーのきりが良いところで第一部として完結し、続きを第二部として再度1巻から開始する方法である。未読の人も新規に購入しやすくなり、下降線を再び上昇させる理にかなった方法だ。
それを踏まえて「はじめの一歩」を見てみると、ストーリー性が強いにも関わらず、1度もリセットすることなく長期連載を続けている硬派な良作である。冊数が多いから読むのをためらうのではなく、これから100冊近くも楽しむことができるのかという気持ちで読もう。

Shun's Score 9


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