Sunday, September 25, 2011

舞姫 テレプシコーラ

STORY

母親の営むバレエ教室で、小学校5年生の篠原六花(ゆき)と1つ上の姉千花(ちか)はバレエを習っている。
のんびりした性格の六花は、練習不足のためか足が180度に開かなかったのだが、母と共に行った病院で股関節の異常が原因だったことを知る。
優秀な姉と比べられながらも自分のペースでバレエに向かい合ってきた六花だったが、身体的欠陥を知らされ、バレエを止めることを決心する。
そんな時、同じくバレエをやっている六花の同級生空美は、父の借金のためバレエを続けることができなくなっていた。
空美はレッスン場をタダで貸して欲しいと六花に頼み、六花は無料体験の日ならばと返事を返す。
初めて見た空美の踊る姿は大変素晴らしく、姉の千花さえライバル視するもので、次第にバレエへの気持ちを取り戻していく。
再び踊り始めた六花、素晴らしいデビューを飾った千花、順調と思われた篠原家であったが、千花は舞台上のアクシデントで大怪我を負うことになる。
2人は果たして一流のプロダンサーになることができるのか?
プロの高みという1つの道を進む少女達の成長、そして苦悩を描く。

(Ryoko Yamagishi/2000-2006/15 books/Media Factory)





COMMENT by Shun

いわゆる昔の少女漫画風の絵であり、少年・青年マンガばかり読んできた人には敷居が高いかもしれないが、絵だけで判断せずにまずは数巻読んでほしい。
主人公六花(ゆか)と姉の千花(ちか)のプロダンサーを目指す物語である。
いきなりネタばれから始めると、姉の千花が自殺してしまうのだが、自殺までの読み手を不安にさせる展開が、とにかく心を揺さぶる。
大きな大会で優勝し、将来を期待されるダンサーであるという状況、優秀すぎるための同年代からの妬みやイジメ、そして膝の怪我。
手術とリハビリを繰り返し、最後の望みをかけた靭帯生体移植手術は成功したものの、千花の膝はホンの少しだけ曲がらなくなってしまう。苦悩、絶望、そして自殺へと・・・。
ページをめくるごとにつきまとう不安が、心をしめつけ自分を勝手にあやつり、千花の死の1ページを開いた時には涙がこぼれてしまった。
お薦めしたい漫画であるが、本棚に置いとくだけで悲しくなってしまいそう。

Shun's Score 6


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